「寝つきが悪い」「眠りが浅い」「考えがまとまらない」「だるい」。
こんな症状に覚えはありませんか?
からだを休めても、なぜかとれないたまった疲れ。寝ても寝足りないような感覚。
それはもしかして「脳疲労(脳の疲れ)」のせいかもしれません。
ぼーっとしていても、頭の中はグルグル。
仕事・家庭・家事・育児…。役割の多い女性はさらに疲れやすいともいわれています。
脳は意識して休めないと働き続けてしまう器官。
簡単にできる3つの習慣を実践して、積極的に脳を休ませましょう。
常に活動し続ける脳の習性とは?
仕事や勉強、読書など、あきらかに脳を使っているときだけではなく、ぼーっとしているときでも脳はグルグルと活動を続けています。お風呂でリラックスしていても、頭の中はフル回転。
今日のできごとや明日の予定を無意識に考えている…心当たりありませんか?
このように常に何かを考え続ける脳の習性をDMN(デフォルト・モード・ネットワーク)といいます。脳のアイドリングと例えられることもあります。
アイドリングとは、すばやく動けるように待機・準備を続けている状態のこと。
完全にエンジンを切っているわけではないので、エネルギーは消耗され続けています。
DMNにより脳が活動を続けることで、疲れが次第にたまっていくのです。
脳疲労の3大サインを見逃すな!

東京疲労・睡眠クリニック院長の梶本修身氏によると、「飽きる」「作業効率が落ちる」「眠くなる」
この3つが脳が疲れているときにあらわれるサインだそう。
このサインを無視して作業を続けると、処理能力や判断能力が低下し、本来のパフォーマンスが出せなくなります。
さらに疲労が蓄積されると、高血圧や糖尿病といった生活習慣病の発症のリスクにもつながります。
健康を維持するためには、疲労のサインに気づいた時点で脳を休めることが重要。
長時間続けて作業する場合は、1時間~1時間半に1回、こまめに休憩をとるのを忘れないようにしましょう。

休憩時に、席を立って歩くと血流の流れもよくなりますよ
次の章からは、働き続ける脳を「スイッチオフ」するための3つの習慣をご紹介します。
脳のスイッチをオフにする3つの習慣
積極的に脳を休めるために、私たちはどうしたらよいのでしょうか?
いつも心がけていたい3つの習慣をご紹介します。
- ポジティブ思考になる
- 同時進行をやめる
- 視覚情報を減らす
順番に解説しますね。
考え方で脳の疲労度を変える / ポジティブ思考に

精神科医の久賀谷亮氏によると、考え方で脳の疲労具合が変わるそうです。
「うまくいかなかったらどうしよう」「病気になったら」「あのときこうすれば」など、悲観的に考え始めると、延々思考のループにはまってしまいます。
へたをすると寝ている間も考え続ける状態に。これではいっこうに疲れがとれません。
ポジティブなことではなく、ネガティブなことばかり考えてしまう人は要注意です。
対処法は、過去のことにくよくよしない、起こってもいない未来をムダに考えすぎないこと。
「どうにかなるさ」と物事を楽観的にとらえて、脳の活動を少しずつ減らしていきましょう。
目の前の作業に集中する / 同時進行をやめる

2つ以上の作業を同時にこなすマルチタスクはやめましょう。
効率的なようで、実は脳を疲れさせる悪習慣のひとつ。
脳に負担をかけ、生産性を下げる原因になっています。
「いま、目の前のことに集中」し、ひとつずつ片づけていくようにしましょう。
脳をすっきりさせるために瞑想などの習慣を取り入れるのもいいですね。
目をつぶって腹式呼吸で心を整えたり(マインドフルネス瞑想)、ノートに思いをひたすら書きだすジャーナリングという手法もあります。
また、部屋の中を片づける、不要なものを捨てる、掃除をすることも脳内の整頓に役立ちます。
瞑想や片づけで頭のモヤモヤがクリアになれば、身も心も軽くなることでしょう。
デジタルデトックス / 視覚情報を減らす

脳は目に映った色や形・動きなどの情報を瞬時に読み取り、さまざまな処理を脳内で無意識に行っています。目から入ってくる刺激はとても強いもの。
「目を閉じる」だけで脳への情報も遮断できるので、脳を休めるためには最も効果的な方法です。
SNSで精神的なストレスは感じていませんか?
現代の私たちが1日に受け取る情報量は「江戸時代の人間の一生分」に匹敵するとか。
あまりに多すぎる情報を毎日浴び続けることで、脳も心もクタクタになっています。
時には「デジタルデトックス」を行い、スマートフォンやパソコン、タブレットから意識的に離れる時間を持ちましょう。
脳の疲れにきく食べもの
脳の疲れを感じたら、どんなものを食べたらよいでしょうか?
おすすめは、抗疲労成分「イミダペプチド」が含まれる鶏むね肉。
「イミダペプチド」は、渡り鳥の翼の筋肉や、マグロやカツオのしっぽの筋肉などに多く含まれる物質。
イミダペプチドの1日に摂りたい量は鶏むね肉であれば100g、カツオであれば150g。
脳の疲れを感じてきたら、毎日の食事にこれらのものを取り入れてみてはいかがでしょうか。

次からは、鶏むね肉を使ったおすすめレシピをご紹介します
蒸し鶏の生姜だれ
電子レンジで作れる蒸し鶏です。
ボリュームは満点!でもさっぱり食べられる、と人気のレシピです。

材料
- 鶏むね肉 1枚(約250g)
- 長ねぎ 1本
- 青ねぎ 適量
- 酒・水 各大さじ2
- 塩 少々
- ●めんつゆ 大さじ3
- ●水 50cc
- ●生姜 1かけ
- ●ごま油 小さじ1
作り方
- 鶏むね肉は全体をフォークで刺して数か所穴をあける。
耐熱皿に入れ、酒、水、塩をふりラップをかけ、電子レンジで約6分加熱する。
食べやすい大きさに切り、蒸し汁につけておく。 - 長ねぎは白い部分を白髪ねぎに、青ねぎは小口切りにする。
生姜はみじん切りにする。 - 器に鶏むね肉を盛り、白髪ねぎと青ねぎをのせる。
- 容器に蒸し汁と●の材料をいれて、電子レンジで約1分加熱し、③にかけてできあがり。

簡単しっとりの手作りハム
定番の鶏ハムです。
手作りすれば、添加物の心配もいりませんし安価で食べられます。
時間にゆとりがあるときは、ぜひ手作りしてみてくださいね。

材料
- 鶏むね肉 1枚(250g)
- 塩 大さじ1
- 砂糖 大さじ1
作り方
- 鶏胸肉は、皮を取り除き観音開きにしてビニール袋にいれ、砂糖、塩をもみ込み、冷蔵庫でそのまま一晩寝かせる。
- 鶏肉をとりだし、一度さっと水洗いをしてラップで巻き寿司を作るように強めに巻く。
- 端を輪ゴムで止め、さらにアルミホイルで包む。
- 鍋にお湯を沸かし沸騰したら鶏肉をいれ、再沸騰したら中火で5分、さらにひっくり返して5分加熱し、火をとめてそのまま放置。
- 荒熱がとれたら、ラップをはずし、切り分けて出来上がり。

おわりに
今回は意外と知られていない「脳疲労」について、ご紹介しました。
ポジティブに考える、マルチタスクをしない、目をつぶって視覚情報を減らすなど、あえて脳を休ませる習慣を設けて、慢性的な疲労から脱出しましょう。
からだや心の疲れは脳疲労のサイン。
好きな香りをかいだり、自然にふれたりして、自分を癒しながら無理せず過ごしましょう。
------■参考文献■------
●Dr.クロワッサン 免疫力を強くする、疲れない体のつくり方 (マガジンハウス)
●疲労回復の名医が教える 誰でも簡単に疲れをスッキリとる方法Kindle版 著:梶本 修身
●不調ごとのセルフケア大全 おうち養生 きほんの100 著:田中友也