長期保存が利くため、防災備蓄や「あと一品」のお助け品として役に立つ”乾物”。
常備している方も多いのではないでしょうか。
生の食材を乾燥させるだけで甘みや旨味がギュッと濃くなり、栄養価もアップする乾物ですが、特に注目なのは食物繊維を豊富に含む点。食物繊維には腸の働きを活発にし、腸内環境を整える作用があります。
今回は多くの魅力がある乾物の栄養や、乾物を使った簡単なレシピご紹介します。
煮物だけではない新しい魅力が感じられるおいしいレシピは、きっと何度でも作りたくなるはず…!
ぜひ最後までご覧ください。
干すだけでおいしさと栄養価アップ
生の食材を干して乾燥させることで、水分が抜け甘みや旨味がギュッと濃くなる乾物。
乾物にするだけでどのくらい栄養価が変わるのかを比べてみましょう。(100gあたり)
例えばさつまいもや大根。
さつまいもを干しいもにすると鉄分は3倍。大根を切干大根にするとカリウムや食物繊維は約15倍にもなりました。
同じ野菜でもこんなに栄養価がアップするなんて驚きですよね。
水分が抜けると甘みやうま味成分が増す
食材を乾燥させるだけで甘味や旨味がギュッと凝縮されるのは一体なぜでしょう。
これは生の食材を乾燥させることで
- 食材の水分が減る
- うま味成分が増す
からです。
食材を干し、水分が蒸発されることで、うま味成分の割合が高くなります。
とくに天日干しされたものは、紫外線の影響で旨味成分であるグルタミン酸、甘みを感じるアミノ酸のプロリンが1.3倍にアップ!これが甘味や旨味がギュッと濃くなる理由です。
干すと栄養素がぎゅっと濃縮される
乾物にすると栄養価が高くなる理由は2つ。
- 食材の水分が減る
- 新しい栄養素がつくられる
食材を干すと水分が蒸発し栄養素が凝縮されるため、同じ重量あたりの栄養価が大幅にアップします。さらに紫外線に当たることで、ビタミンDなどの新しい栄養素がつくられるというプラスの効果も。
これが生の野菜に比べ乾物の栄養価が高くなる理由です。
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熱に弱いビタミンCなどは、干すことで栄養価が下がる可能性もあります。
食材に合った方法で乾物食材をとり入れてみましょう。
乾物には食物繊維が豊富!
便秘の予防や改善に「食物繊維の摂取が大切」と聞いたことがありませんか?
食物繊維には水溶性と不溶性の2種類があり、それぞれ特徴があります。
- 水溶性食物繊維
水に溶けてゲル状になることで糖質の吸収をゆるやかにする
便の水分量を高め柔らかい便を作り、便通をよくする - 不溶性食物繊維
腸内で水分を吸収して膨張し、便のカサを増やす
腸を刺激してぜん動運動を活発にする
腸内環境を整えるために欠かせない食物繊維ですが、生の食材だけでなく、乾物にも豊富に含まれています。
さまざまな料理に使える乾物を上手に活用して、腸を元気にしましょう。
老化防止や免疫力アップにもつながりますよ。
作ってみよう!レンジやオーブンで手軽にできる干し野菜
干し野菜は家庭でも簡単に作れます。
野菜を切り半日~1日ほど太陽に当てる天日干しを始め、電子レンジで水分を飛ばす、または100℃程度のオーブンで2,3時間乾燥させるなどの方法があります。
作りやすい方法で試してみましょう。
レンジで作る、風味豊かな「ごぼう茶」
- ごぼうをピーラーでスライスし、耐熱皿に広げレンジで500W、3分加熱しパリパリにする。
- 鍋に水と①を入れ、弱火で5分煮出して出来上がり。
オーブンでつくる、砂糖なしの自然派おやつ!手作り干し芋
- 蒸したさつま芋の皮をむき、8mm厚さにスライスする。
- 天板に並べ100℃に余熱下オーブンで60分焼く。
裏返しさらに60分焼いて出来上がり。
*オーブンによって時間が異なります。
定番からアレンジまで。何度でも作りたくなる乾物レシピ
必要分だけ戻して残りは保存。
便利で使いやすい乾物ですが「調理法がワンパターン」とお悩みのかたも多いのでは?
今回は和風・洋風とりそろえた乾物レシピをご紹介します。
かんたんに作れるのでぜひお試しください。
お肉がなくても満足感!高野豆腐の照り焼き
高野豆腐でメインの一品を。
たんぱく質や鉄分も摂れ、甘辛い味でご飯も進みます。
お肉の代用としてもおすすめです。
材料(2人分)
- 高野豆腐 2個
- 片栗粉 大さじ1.5
- 油 大さじ1
- 大葉(千切り) 2枚
- しょうゆ 大さじ1
- 砂糖 大さじ1
- 酒 大さじ1.5
- 水 大さじ2
2. フライパンに油を熱し①を中火で揚げ焼きにする。
3. 高野豆腐をとりだし、同じフライパンに調味料をくわえ弱火にし、高野豆腐をもどし全体をからめ火を止める。
4. 器に盛り大葉を添えて出来上がり。
食物繊維たっぷり!切干大根の中華風サラダ
切干大根のシャキシャキ食感が楽しめるサラダ。
すりおろししょうがを入れることで風味が引き立ち減塩効果も。
カルシウムも摂れる栄養満点レシピです。
材料(2人分)
- 切干大根 30g
- きゅうり 1/4本
- にんじん 1/4本
- 水煮ツナ缶 1缶
- しょうゆ 大さじ1
- ごま油 大さじ1
- おろししょうが 小さじ1
- すりごま 大さじ1
2. きゅうり、にんじんを千切りにする。
にんじんは耐熱容器にいれラップをして500Wで1分半加熱しキッチンペーパーで水気をとる。
3. ボウルに調味料を混ぜ合わせ、①と②とツナの水煮すべての食材を和えて出来上がり。
干ししいたけとタコのアヒージョ風
干ししいたけを洋風にアレンジ。にんにくの香りが食欲をそそります。
具材を大きめにカットすると噛みごたえ抜群で満足度もアップ。
材料(2人分)
- 干し椎茸 4枚
- ボイルたこ 40g
- にんにく 少々
- オリーブオイル 大さじ2
- 塩 少々
にんにくはみじん切り、たこは一口大に切る。
2. 小さ目のフライパンにオリーブオイルとにんにくを入れ弱火にかけ、香りがしたら塩をいれ軽く混ぜ合わせる。
3. 干し椎茸とたこをいれ混ぜ合わせ、弱火で4分加熱したら出来上がり。
おわりに
生に比べ甘みや旨味がギュッと濃縮、栄養価もアップする乾物の魅力についてご紹介しました。
和風・洋風と味つけにもさまざまなバリエーションがあれば、飽きずに食べられます。
気になるレシピがあればぜひ作ってみてくださいね。