こんにちは。管理栄養士の柴戸です。
「病後に食欲がでない」「食べられなくて体重が落ちてきた」
理由はさまざまですが、食欲が落ちてしまい食事量が減っている。
こんなお悩みはありませんか。
食べる量が減る=栄養不足は【基礎体力の低下】をまねきやすくなります。
免疫力アップのためにもしっかりとした食事と栄養をとりたいですね。
今回は、食欲がでないときに試したい調理法や食べやすいレシピをご紹介します。
小さなお子さまからご高齢の方までどなたにも応用できるテクニック。ぜひ最後までご覧ください。
食欲をアップさせるテクニック

食欲がでないときは「食べやすくするひとくふう」を加えてみましょう。
調理法や食事の雰囲気を変えるなど、ほんの少しのきっかけで食べれるようになることも。

とりいれやすそうなものから実践してみてくださいね
- 噛みやすい調理法
- つるんと飲み込みやすい調理法
- のどを通りやすい調理法
- 気分を変えて楽しく食べられるようにする
- すぐに食べられるものを常備する
小さなお子様からお年寄りの方までどなたにも応用できるテクニックです。
ひとつずつご紹介しますね。
噛みやすい調理法

噛みやすいよう、やわらかく調理を
- 肉をたたいてやわらかくする、隠し包丁をいれるなど下ごしらえの段階でひとくふうする
- 圧力鍋などを利用しやわらかく調理する
- 卵とじやお豆腐などのやわらかくて噛みやすい食品をえらぶ
- あんかけや白和えなど「とろみ」をつけた調理にする
毎日作りたくなる春菊の白和え

お豆腐をくずして野菜と混ぜ込んだ白和えは、たんぱく質と食物繊維が一緒にとれます。
一品で栄養満点なので「これさえ食べておけば!」の安心感につながりますよ。
春菊がないときは、ほうれん草や小松菜などの青菜でおためしくださいね。
- 春菊 1/2束
- にんじん 1/4本
- 豆腐 1/4丁
- ◎味噌・きび砂糖・ごま油 各小さじ1
- ◎練りゴマ 小さじ2
- 豆腐はキッチンペーパーなどで水きりする。(レンジで1分チンでOK。)
- 春菊をゆがき冷水にとり4cm幅に切る。にんじんは千切りにし油で炒める。
- ボウルに水切りした豆腐をつぶしながらいれ、◎の調味料をすべて混ぜ和え衣を作る。
- ②の春菊とにんじんを和えて出来上がり。

つるんと飲み込みやすい調理法

のどごしがいいものを選んでみましょう
- つるんとすべりやすく、まとまってべたつかない形態のもの(煮こごりやとろろかけご飯など)
- フレンチトーストや揚げ煮など水分を補う調理
- ゼラチンや寒天を活用し、とろみをつけたりゼリー状にする
アスパラとえびのポン酢ジュレがけ

ポン酢とだし汁をゼラチンで固めて「食べるポン酢」に仕上げました。
つるんとしたのどごしは、食欲がでないときも食べやすいですよ。
ポン酢ジュレは、冷蔵庫で2~3日保存可能です。
- アスパラガス 10本
- えび 6尾
- ◎ポン酢 180cc
- ◎だし汁 100cc
- ◎ゼラチン 5g
- アスパラガスは3㎝にざく切りして塩ゆでする。
えびは背ワタをとり、塩・酒を入れたお湯で茹でる。 - (ポン酢ジュレ)水でふやかしたゼラチンとポン酢、だし汁をすべて鍋に入れ温める。
粗熱がとれたらタッパーに流し入れ、冷やす。 - アスパラガスとエビを盛りつける。
ジュレをくずしてかけてできあがり。

のどを通りやすい調理法

噛まずに食べられるぐらいの形状にしましょう
- 温かい麺や野菜の煮物など、すりつぶしやすい固さにする
- 少量ずつこまめに、くだいて食べる
- スープなど水分が多いもの
- きざんだりミキサーにかける
かぼちゃのポタージュ

野菜のうま味がぎゅっと詰まったポタージュです。
ブレンダーがない場合はミキサーで代用してもOK。
- かぼちゃ 150g
- たまねぎ 1/2個
- 豆乳 200cc
- コンソメ 小さじ1
- 塩・こしょう 少々
- 油 小さじ1
- かぼちゃはわたと種を取り、皮をそぎ落としてひと口大に切る。
(お好みでトッピング用に皮を細かく切る)。 - 耐熱容器へ入れラップをし、600Wの電子レンジで約5分加熱する。
玉ねぎを薄切りにする。 - 鍋に油を入れ温め、玉ねぎを炒める。
- しんなりしたらかぼちゃと豆乳を加えて火を止め、ブレンダーで滑らかにする。
- コンソメ、塩コショウで味を調え器に盛りつける。
- トッピングをのせて出来上がり。

気分を変えて楽しく食べられるようにする

食事環境を変えてみましょう
- お庭やベランダ、公園など、いつもとはちがう場所で食事をしてみる
- 彩りよく盛りつける
- 少なめに用意して、食べきれた達成感を出す
おもてなしにも!食べやすいひとくちサラダ

パクッとひとくちで食べられるミニサラダ。
カラフルな彩りと小ぶりなサイズ感が「食べたい」感覚を刺激します。
- ミニトマト 3個
- きゅうり 1/2本
- ラディッシュ 1個
- うずらの卵 3個
- ボイルエビ 12尾
- ◎オリーブオイル大さじ1
- ◎塩・こしょう 適量
準備)ドレッシングの材料◎を混ぜておく
- ミニトマトは半分に切り、きゅうりは5ミリ幅、ラディッシュは薄切りにする。うずらの卵は半分に切る。
- 1つはミニトマトときゅうり、ボイルエビを。もう1つはうずらの卵ときゅうり、ラディッシュとボイルエビを重ねて串に刺す。
- ドレッシングをつけてお召し上がりください。

すぐに食べられるものを常備する

市販品のゼリーやヨーグルトも◎
- 果物やゼリーなど、いつでも食べられるように用意しておく
- まとめて調理して小分けにして冷凍する
- 栄養補助食品を常備する
レンジで簡単!りんごのコンポート

やさしい甘さのコンポートは電子レンジで簡単に作れます。
「1日1個のりんごは医者を遠ざける」といわれるほど栄養価の高いりんご。
ビタミン、ミネラル豊富なはちみつとの相性も抜群です。
- りんご 中1個
- はちみつ 大さじ2
- ヨーグルト 適量
- りんごは皮をむき、8等分のくし切りにする。
- 耐熱皿に切ったりんごとはちみつを加え、電子レンジ(500W)で6分加熱する。
- 粗熱がとれたら冷蔵庫で冷やし、ヨーグルトをかけてできあがり。

おわりに
食欲が低下して量が食べられない。
そんな時に食べやすくする調理法のコツと実践レシピを5つご紹介しました。
食べる量が減ると、知らず知らずに基礎体力や筋力が落ちてしまいます。
免疫力アップのためにも、少しずつ食事量が増えるといいですね。
栄養面が心配な時には、市販の「栄養補助食品」を活用する手もあります。
料理をする元気がない、手間をかけたくないときには強い味方になりますよ。
むりのない範囲で試してみてくださいね。