こんにちは。管理栄養士の柴戸です。
治療中の副作用や更年期障害のひとつとして、「口の中が乾く(ドライマウス)」症状があります。
唾液には保湿作用や自浄作用があり、量が減ると食べ物が飲みこみにくくなったり、口の中に雑菌が増え感染が起きやすくなります。
食べづらさを感じると、食欲も落ちてきてしまいがちです。
そこで今回は、「お口が乾いてるかも?」と感じている方必見。
口内乾燥の対策や、お口が乾燥している時でも食べやすくする調理のコツやレシピについてご紹介しますね。
そもそも、口の中が乾くとどうなるの?

唾液には、口の中を潤す「保湿作用」や雑菌を洗い流す「自浄作用」があります。
口の中の乾燥が進むことでこれらの作用が低下し、食べものや飲みものが飲み込みづらくなったり、汚れがつきやすくなります。
口腔内の雑菌がふえると虫歯や歯周病などのトラブル、感染症を引き起こす要因となります。
何らかの原因で口腔内が乾燥している方は、日頃からなるべく口の中を潤しておくようにしましょう。
口の中の不快感や痛みを和らげるために、今からすぐにできる対策をご紹介します。
口の中を潤して乾燥を防ごう

口の中を潤す方法の一例です。
- こまめにうがいする
- 加湿器を置くなど、室内が乾燥しないようにする
- 冷ましたお茶や水でこまめに水分補給する
- ガムをかむ
- 口当たりの良い食品や水分の多いもの(果物やシャーベット)を食べる
- 口内の乾燥を和らげる市販の保湿剤を使用する
口の中が乾燥していると味覚を感じにくくなります。
こまめな水分補給やうがいで口の中を潤し、食欲不振や感染をふせぎましょう。

歯磨きなどの口腔ケアも忘れずに!
歯みがきは口の中の細菌をへらすだけではなく、唾液分泌や味覚の改善もうながします。
お口の中を清潔に保つために「歯みがき(困難なときはうがい)」を行いましょう。
食べやすくする調理のコツ

粘膜を傷つけないように、水分が多いもの、やわらかいもの、消化のよい料理がおすすめです。
- 煮る・蒸す(煮魚や煮物など)
- あんかけにしてとろみをつける
- ごはんは水分多めの「おかゆ」や「雑炊」に
- パンは牛乳に浸したりフレンチトーストにする
- つるんと食べられるのどごしの良い食品を選ぶ(ゼリーやヨーグルトなど)
食材はなるべく小さめにカットし、とろみをつけたり裏ごしをしたりすると飲み込みやすくなります。
逆に刺激の強い食品や塩味の濃いものは粘膜の炎症をまねきやすいので避けましょう。

おすすめレシピをご紹介しますね。
あんかけでしっとり タラの野菜あんかけ

やわらかい食材をメインに、あんでしっとりと食べやすくしました。
野菜もたんぱく質もしっかりとれる万能メニューです。
- タラ(切り身) 2切れ
- 白菜 1/4個
- にんじん 30g
- きぬさや 4枚
- しいたけ 2枚
- 水溶き片栗粉 大さじ1
- サラダ油 大さじ1
- ごま油大さじ1
■ 下味
- 塩・こしょう 少々
- 酒 大さじ1
■ 調味料
- だし 1/2カップ
- しょうゆ 大さじ1/2
- みりん 大さじ1/2
- しょうが(すりおろし) 小さじ1
- タラは下味をつけ5分程おき、汁気をペーパーでふいて片栗粉を薄くまぶす。
- フライパンにサラダ油を入れ温め、タラを入れて両面を焼き器に盛りつける。
- 白菜は3㎝幅のそぎ切りに、にんじんは短冊切りにする。
きぬさやは筋をとり斜め半分に切る。しいたけは薄切りにする。 - フライパンにごま油を入れ温め③を炒める。
- 火が通ったら調味料を加え、煮立ったら水溶き片栗粉を入れとろみをつけ、器に盛ったタラにかけて出来上がり。

食欲がないときに、豆腐のあんかけがゆ

水分が多めのおかゆなのでサラサラと食べやすいです。
お豆腐もプラスすることでたんぱく質も摂取できます。
食欲がないときやお腹が弱っているときにもおすすめのメニューです。
- おかゆ お茶碗1杯分
- 絹ごし豆腐 1/3丁
- 梅干し(種をとる)1個
- 万能ねぎ(小口切り) 少々
調味料
- だし 1/2カップ
- 酒・みりん・薄口しょうゆ 各大さじ1/2
- 塩 少々
- 片栗粉 小さじ1
- 水 小さじ2
- 鍋に調味料を入れて煮立たせ、角切りにした豆腐を入れて30秒ほど煮る。
水に溶いた片栗粉をいれてとろみをつける。 - 器にお粥を盛りあんをかけ、梅干しとねぎを盛って出来上がり。

つるんと食べやすい、モズクの寒天寄せ
つるんとしたのどごしで飲み込みやすい寒天寄せ。
モズクのぬめり成分「フコイダン」もとれ、消化粘膜との相性も◎です。
トマトやオクラ、海老などを加えると彩りよく豪華になりますよ。

- 生モズク 100g
- だし汁 250㏄
- 寒天パウダー 5g
- しょうゆ 小さじ1
- しょうがのすりおろし 適量
- 鍋にだし汁、寒天パウダーを入れて沸騰させながら煮溶かし、しょうゆで味の調整をする。
- 生モズクは食べやすい大きさに切り、①に加える。
- 型に流しいれ、荒熱がとれたら冷蔵庫で冷やし固める。
- 食べやすい大きさに切り、しょうがのすりおろしを添えて出来上がり。

おわりに
今回は、口内乾燥にお悩みの方でも食べやすくする調理のコツやレシピについてご紹介しました。
食べ物の選び方や食べ方を工夫する、常に水分補給するなどの対策をとりながら、つらい時期を乗り切りましょう。
当サイトではからだにやさしいレシピを多数掲載しております。ぜひ参考にしてみてくださいね。