こんにちは。管理栄養士の柴戸です。
年を重ねるにつれ、しだいに食べる量が減ってきていませんか?
「あっさりしたものがいい」「多くはいらない」など食の好みの変化や食欲の低下は、エネルギーやたんぱく源不足を招きます。これが免疫力低下にもつながり、風邪や感染症のリスクを高めることも。
からだをつくる大切な栄養素である「たんぱく質」。
食が細くなってきた今だからこそ、ポイントをおさえて効率的に摂取していきましょう。
今回は、たんぱく質を上手にとるポイントや豊富にとれるレシピをご紹介します。
たんぱく質が不足すると免疫力低下に!?

たんぱく質は筋肉や骨、体の機能を調節するホルモンなど健康を維持するために大切な栄養素です。
また私たちの身体を守ってくれている大切な免疫細胞もたんぱく質からつくられているため、たんぱく質が不足すると免疫力の低下につながります。

食事量が減ると、体の中のたんぱく質を原料にしてエネルギーを作ります。
そのため身体を動かすための筋肉や骨がやせ細り、骨粗しょう症やサルコペニア(*)になる危険性があります。
コレステロールを気にして肉や卵を避けたり、食事制限で野菜しか食べないような食事をしていませんか?
このような食生活もたんぱく質不足につながります。
たんぱく質はできる限り意識して摂るようにしましょう。

間食でとるのもおすすめですよ
高たんぱく食品を上手に活用しよう
たんぱく質には、動物性たんぱく質と植物性たんぱく質の2種類があります。
両方を組み合わせながら、一日当たり男性は60g、女性は50gを目安に摂取する事をおすすめします。
注意すべき点は、一度で吸収できる量に限りがあり体内にためておけないこと。
毎食とりいれたり、たんぱく質が豊富な食品をおやつにするなど、こまめに食べるのがポイントです。
手軽で食べやすい「サラダチキン」や「ゆで卵」は腹持ちもよく、満腹感を得やすい高たんぱく食品。
食事では補いきれない部分をカバーしてくれる頼もしい存在に。
ぜひ積極的にとりいれていきましょう。

一度で吸収できる量には限りがあるので、こまめにとろう
たんぱく質が多い食品
動物性たんぱく質と植物性たんぱく質が多い食品をそれぞれ表にまとめました。


ご自身の食事と比べてみると、いかがでしょうか。
しっかり摂取できているつもりでも「一日の目安量には足りないかも」
もしくは「過剰にとりすぎていたかも」なんて方もいらっしゃるのではないでしょうか。
たんぱく質は消化しにくいので、逆にとりすぎは、腎臓に負担がかかる事があります。
また肉や魚、卵などの動物性たんぱく質に偏ることで、脂肪の摂取がふえ、腸内環境の悪化につながることも。
魚や肉が主菜のときも植物性たんぱく質の大豆製品を合わせ、バランスよくとるようにしましょう。
魚や肉が主菜のときも、大豆製品をとりいれる
たんぱく質がしっかり摂れるレシピ
たんぱく質は、ビタミンと一緒にとると吸収率もアップします。
吸収率をあげるために、野菜などを組み合わせて効率的に摂取しましょう。
ここからは高たんぱく食品を使ったレシピを3つご紹介します。
鶏むね肉の照り焼きレモンバター
コクのある味わいにレモンの爽やかさをプラス。
高たんぱく食品の鶏むね肉にレモンのビタミンCが好相性の
メインのおかずにもおすすめのメニュー。
鶏むね肉はフォークで数カ所さしておくことで、焼き縮みを防ぐことができます。
そぎ切りにすると早く火が通りますよ。

- 鶏むね肉 250g
- 塩こしょう 少々
- 片栗粉 大さじ2
- 油 大さじ1
- バター 8g
- レモン(飾り用)1/2個
- フリルレタス 3枚
- しょうゆ・砂糖・みりん 各大さじ2
- レモン汁 大さじ1
- おろしにんにく 小さじ1
- 鶏むね肉はフォークで全体を数カ所さし、1㎝幅のそぎ切りにする。
塩こしょうをふり片栗粉をまぶす。レモンを薄く半月切りにする - フライパンに油を熱し、鶏むね肉を焼く。
両面を焼いたら混ぜ合わせた調味料とバターを入れ、全体を煮からめる。 - 汁気がなくなってきたら火を止める。
- 器にフリルレタス、レモンと鶏むね肉を盛り出来上がり。

マヨ不使用!卵と鮭のボリュームサラダ
白味噌や豆乳で作るマクロビマヨでまろやかな味わい。
卵や鮭のたんぱく質にビタミンCが豊富なブロッコリーで、さらに吸収もアップします。

- 卵 2個
- 鮭 2切れ
- 塩 少々
- ブロッコリー 1/2株
- 塩(茹で用)少々
■ マクロビマヨ
- 白味噌 大さじ2
- 練り白ごま 大さじ2
- きび砂糖 大さじ1
- 豆乳 大さじ2
- 酢 大さじ2
- 卵は茹でて殻をむき4等分に切る。
ブロッコリーは小房に分け、塩を加えた熱湯で1~2分茹でてざるに上げ、粗熱をとる。 - 鮭は塩をふり、グリルやトースターで焼き色がつくまで焼く。
皮や骨を取り除き、大きめにほぐして粗熱をとる。 - ボウルにマクロビマヨの材料を混ぜ合わせる。
さらに鮭と卵、ブロッコリーを入れて和え、器に盛り出来上がり。

りんごと豆のしゃきしゃきサラダ
りんごのしゃきしゃき食感がアクセント!彩り豊富で見た目にも楽しいサラダです。
植物性たんぱく質がたっぷり摂れるのが嬉しいですね。

- ミックスビーンズ(水煮) 100g
- りんご 1/4個
- コーン缶 30g
- フリルレタス 適量
■ ドレッシング
- オリーブオイル 大さじ1
- レモン汁 大さじ1
- はちみつ 小さじ2
- りんご(すりおろし)1/8個
- 塩こしょう 少々
- サラダ用のりんごは皮つきのまま7mmの角切りにし、ドレッシング用のりんごは皮をむきすりおろす。
- ボウルにドレッシングの材料をすべて混ぜ、ミックスビーンズ、りんご、コーンを入れ和える。
- フリルレタスを敷いた器に盛り出来上がり。

おわりに
今回は、たんぱく質を上手にとるためのポイントや豊富にとれるレシピをご紹介しました。
まとめるとポイントは3つ。
- 一度で吸収できる量には限りがあるので、こまめに食べよう
- 魚や肉が主菜のときも、大豆製品をとりいれよう
- たんぱく質と一緒に野菜などのビタミンをとって吸収率をあげよう
食事量や噛む力の低下で、不足しがちなたんぱく質。
ポイントをおさえながら、効率的に摂取していきましょう。