こんにちは。管理栄養士の柴戸です。
日本では現在、厚生労働省が認めた約1500品目もの食品添加物が使われているのはご存じでしょうか。
色鮮やかに見せるため、腐敗を防ぐため、酸化を防ぐため、味付けとしてなど目的や種類もさまざま。
添加物のすべてが危険というわけではありませんが、その多くは栄養にはならず、体にとっての「異物」となり体調を崩す原因にもなりかねません。
できるだけ口にする回数を減らしていきたいですね。
今回は食品添加物に注意しながら、身近な食材や調味料を選ぶ際のポイントをお伝えします。
添加物を使わない手軽でおいしい調味料の作り方やアレンジレシピもご紹介します。
買い物の際の参考にされてくださいね。
からだへのはっきりとした影響はわからない
わたしたちの食卓に欠かせないものになっている「食品添加物」。
国に認められている食品添加物ですが、安全性の確認は人間ではなく動物で行っています。
そのため、がんができるか、臓器に障害が出るか、などのはっきりとした症状しかわかりません。
頭痛やめまいなどのあいまいな症状は調べることができないのです。
また添加物が単独でアレルギーを起こさないか、毒性がないかなどの検査が主で、複数の添加物が合わさった場合の影響などは調べられていないのが現状です。
こうした状況のなかでは、できるだけ添加物を避けることをおすすめします。
食材と食品添加物の見分け方
まずは「台所にないもの」は添加物である可能性が高いです。
しょうゆや砂糖、酢、塩などの基本調味料はどのご家庭にもあると思いますが、漬物を漬ける時に、保存料の「ソルビン酸」や「安息香酸」を使う方はいないはずです。
台所にないもの、およそ想像がつかないもの、それが食品添加物。
包装の表示をみて、なるべく台所にないものが入っていない食品を選ぶようにしましょう。
添加物のしるしに注目
食品添加物は、原材料名表示の中に食材と一緒に表示されています。
原材料と添加物の間に/(斜線)で区別されていますが、ぱっと見ただけではとても分かりにくいものです。
下の表が「添加物のしるし」の例。
例 | |
①使用目的が書かれている場合 | 酸味、凝固剤、香料など |
②カタカナなどの文字がある場合 | カラギーナン、リン酸塩、アミノ酸など |
③化学記号がある場合 | Na、Kなど |
④使用目的に( )がある場合 | 保存料(ソルビン酸K)、甘味料(甘草)など |
⑤「色」という文字がついたもの | カラメル色素、赤色2号など |
すべての添加物を避けるのは難しいのですが、なるべく口にしないためにも、身近な食材や調味料の選び方は重要です。使われている原材料をチェックする習慣を身につけましょう。
食材や調味料を選ぶ際のポイント
日頃から口にしている食材や調味料にはいったいどんな添加物が含まれているのでしょうか?
マヨネーズと醤油を例に、原材料を比較してみました。
マヨネーズ① 原材料表示 | マヨネーズ② 原材料表示 |
食用植物油脂(なたね油、紅花油)(国内製造)、 卵黄、醸造酢、砂糖、食塩、香辛料、(一部に卵・ りんごを含む) | 食用植物油脂(菜種油、コーン油)、卵、食塩、 醸造酢(醸造酢、穀物酢、ぶどう酢)、砂糖、 濃縮レモン果汁、たん白質加水分解物(大豆を含む)/ グリシン、乳化剤、調味料(アミノ酸等)、増粘多糖類、 酸味料、カロチノイド色素、香辛料抽出物 |
醤油① 原材料表示 | 醤油② 原材料表示 |
有機大豆(遺伝子組み換えではない)、 有機小麦、食塩 | アミノ酸液(国内製造)、食塩、脱脂加工大豆、 小麦、果糖ぶどう糖液糖/カラメル色素、調味料 (アミノ酸等)、甘味料(甘草)、V.B₁ |
上の2つの例でも明らかですが、同じ調味料でも使われている原材料は商品によって異なります。
あなたなら、どちらを選びますか?
表示をよく確認し、なるべく安心できるものを選びたいですね。
身近な食材のここをチェック!
*納豆自体は、豆と納豆菌から作られているため添加物はなし
*色をきれいにみせるためのビタミンB2を添加している場合も。安全ではあるが、なるべく添加されていないものを
*選ぶなら添加物の入っていない焼きのりを
*発色剤が添加されていない「無塩せき」でも、添加物が使用されているケースがあるので原材料表示をよくチェックして。(無塩と勘違いしやすいので注意)
調味料のここをチェック!
食品表示がないものもある?!
食品には、表示そのものがある食品と、ない食品に分かれている点にも注意しましょう。
原則として「容器包装された加工食品」には食品表示が必要です。
しかし、次のケースでは食品表示そのものが免除されます。
- パンや佃煮など店頭でバラ売りされている食品
- 物産展の漬物や明太子など、対面で量り売りされている食品
- スーパーの店内などで作られた総菜や弁当、レストランや食堂で出される料理など、店内で製造・調理された食品
表示されない理由は、「消費者自身が食品の内容をその場で店員に確認できるから」という理由によるもの。
最近ではバラ売りの場合でも、店側が自主的に食品表示をしているところが増えていますが、これらの食品にどんな添加物が使われているか消費者にはわかりません。
本来ならばすべて表示するべきなのですが、なかなか難しいのが現状です。
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おわりに
今回は食品添加物の見極め方や、食材や調味料を選ぶ際のポイント、無添加で安心の自家製調味料の作り方やアレンジレシピなどをご紹介しました。
日々の暮らしの中ですべてを手作りすることは難しいのですが、危険なもの、安全なものを見分けるポイントをおさえていれば、口にする前に食の不安を減らすことができます。
食材を選ぶときは表示を見るクセをつけて、なるべく食品添加物が少ないものを選びましょうね。