こんにちは。管理栄養士の柴戸です。
今回は「サビない体」について注目してみます。
そもそも「体がサビる」とはどういう現象でしょうか?
サビ=酸化すること。
ぼろぼろにサビた鉄のように、私たちの体でも酸化は起こっています。
病気や老化の原因となる酸化をいかに食い止めるか、それには「活性酸素」を減らす生活が重要です。
この記事では、活性酸素を減らすための生活習慣と、 活性酸素を抑える「抗酸化成分」 を含む食材の紹介、活性酸素から体を守るレシピを3つご紹介します。
あなたも「サビない体」で一緒に病気予防をはじめましょう。
活性酸素とは

活性酸素が増えると体によくない…
そんな話を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
活性酸素とは呼吸によって取り込んだ酸素が変化して、細胞を強く酸化させる酸素のこと。
殺菌力が高く、体の中では細菌やウィルスを撃退する役目として必要な存在です。
ところが活性酸素が過剰に発生すると体内で処理しきれず、やがて強い毒性を発揮。
しまいには正常な細胞まで攻撃しだすやっかいものに。
これが「体がサビる」という現象の正体です。
- 呼吸でとりいれた酸素
- 紫外線
- 放射線
- 化学物質
- タバコ・アルコール
- 不規則な生活
- ストレス
- 激しい運動 など
「体がサビる」とどうなる?

「体がサビる」 とどんな影響があるのでしょうか?
活性酸素は多すぎると体内で処理しきれず、強い毒性を発揮して正常な細胞を攻撃してきます。
例をあげると、がんや心疾患、アトピー性皮膚炎や認知症など、多くの生活習慣の原因となります。
年齢とともに肌のシミやシワが増えてきた、風邪をひきやすくなった、疲れが取れないなどといった症状も、活性酸素の影響のひとつです。
「サビない体」になるためには?

サビさせないために、何かできることはありますか?

生活習慣と食事を見直してみましょう
私たちの体には、もともと活性酸素から身を守るための「抗酸化システム」が備わっています。
ところが、加齢に伴い抗酸化システムは弱まっていきます。
そうすると体内に活性酸素が蓄積され処理できず、結果的に「体がサビる」ことに繋がります。
「サビない体」をつくるためには、次の2つが重要です。
- 体内に取り込む活性酸素をいかに減らすか?(生活習慣の見直し)
- 活性酸素を抑える「抗酸化成分」をもつ食事を取り入れる(食生活の見直し)
では一体どんなことをすればいいのでしょうか。
活性酸素を減らす生活習慣を身につけよう

いつもの生活習慣を振り返ってみましょう。
無意識のうちに、活性酸素を増やす生活をしていませんか…?
まずは、できることから始めてみましょう。
- 紫外線対策をする
- ストレスをためない
- 軽い運動をする
- タバコ・アルコールに注意
● 紫外線対策をする
紫外線は皮膚の細胞で活性酸素が作られ、シミやしわの原因となります。
外出時は日傘や帽子を携帯し、肌へのダメージを防ぎましょう。
● ストレスをためない
ストレス状態が続くと血行不良になり、それを戻そうと活性酸素が発生され酸化が促されてしまいます。ストレスがたまる前に、上手に解消しましょう。
● 軽い運動をする
激しい運動は呼吸量が増え、活性酸素の発生を増加させます。
ウォーキングなど、息切れしない程度の運動は体の酸化を防ぐのでおすすめです。
● タバコ・アルコールに注意
タバコ1本を吸うと、抗酸化作用のあるビタミンC50mg(およそレモン2.5個分)が壊れてしまうことが分かっています。またお酒を飲みすぎるとと、肝臓がアルコールを分解するときに活性酸素が発生してしまいます。
食生活を見直そう
食べものには、活性酸素を抑えるさまざまな「抗酸化成分」が含まれています。
毎日の食事の中で「抗酸化成分」を積極的に取り入れ、活性酸素から身を守りましょう。
体のサビを防ぐ抗酸化成分と食品
たとえばどんな食品に抗酸化成分が含まれているのでしょうか?
抗酸化成分と含まれる食品を一覧にしてみました。
このような食品を積極的に取り入れていきましょう。

- 赤ピーマン
- じゃがいも
- キウイフルーツ
- いちご
- かぼちゃ
- ごま
- オリーブ油
- ナッツ類
【アントシアニン】
- ブルーベリー
- なすび
- いちご
- ぶどう
【カテキン・タンニン】
- 緑茶
- 渋柿
- 栗皮
【フラボノイド】
- 玉ねぎ
- ブロッコリー
- ココア
- 大豆
【βカロテン】
- にんじん
- かぼちゃ
【リコピン】
- トマト
- すいか
【アスタキサンチン】
- サケ
- カニ
- えび
【ルテイン】
- ほうれん草
- ブロッコリー
活性酸素から体を守るレシピ
数ある食材の中でも、とくに色が濃い食材には抗酸化成分が含まれています。
今回は色とりどりの食材を使った、見た目にも美味しいレシピをご紹介します。
えびのトマトにらたま
トマトやにらは油と一緒に摂ることで、栄養の吸収率がアップします。
トマトの酸味も抑えられるので、酸っぱいのが苦手な方にもおすすめの食べ方です。


- えび(茹で) 100g
- 卵 2個
- ごま油 大さじ1
- トマト 1個
- にら 1/2束
- ごま油 小さじ1
- (A)酒 大さじ1
- (A)鶏がらスープの素 小さじ1
- (A)塩 ひとつまみ
- (A)にんにく(おろし) ひとかけ
- 卵は割りほぐしておく。
トマトはくし切りに、にらは4㎝程の長さに切る。 - フライパンにごま油を入れて熱し、卵液を入れる。
大きくかき混ぜ半熟状態になったら器に取り出す。 - ペーパーでフライパンの汚れを拭き取り、ごま油を加え、えびとにらを炒める。
- にらがしんなりしてきたらトマトを加えさっと炒める。
卵を戻し入れ、(A)の調味料を入れて手早く炒めたら出来上がり。

なすの香味ねぎソース和え
なすは格子状に切り込みを入れることで火が通りやすくなり、柔らかくなります。


- なす 中3本
- ごま油 大さじ2
- 青ネギ(小口切り) 適量
- (A)長ネギ(みじん切り)1本
- (A)酒・砂糖・酢・しょうゆ・水各大さじ1
- (A)しょうが(おろし) ひとかけ
- (A)にんにく(おろし) ひとかけ
- なすはヘタを切り落とし、縦半分に切る。
皮目に格子状に切り込みを入れ、さらに縦半分に切る。 - ネギソースを作る。
大きめのボウルに(A)の材料を入れ混ぜ合わせ、ラップをかけてレンジで1分(600W)加熱する。 - フライパンにごま油を入れて熱し、なすを入れたらしんなりするまで炒める。
- なすと青ネギを②のボウルに入れ、ネギソースをなすに回しかけながら味をなじませたら出来上がり。

かぼちゃと豆腐のきんとん
小麦粉やバターを使わない甘さ控えめなおやつができました。
ふりかけたきな粉がポイント。家族みんなで楽しめる一品です。


- かぼちゃ(小) 1/4個
- 絹ごし豆腐 150g
- きび砂糖 大さじ2
- 片栗粉 大さじ1.5
- きな粉 適量
- (飾り用)黒ごま 適量
- かぼちゃは皮や種、ワタを取り、一口大に切る。
耐熱容器にかぼちゃを入れラップをし、電子レンジで4分(600W)加熱する。 - 耐熱ボウルにかぼちゃ、豆腐、きび砂糖、片栗粉を入れブレンダーで攪拌する。
滑らかになったら電子レンジで2分加熱、取り出し混ぜる。 - 再び2分加熱しよく混ぜる。
- 保存容器に③を入れ表面をならし、粗熱がとれたら冷蔵庫へ入れ冷やす。
- 冷えたら食べやすい大きさに切り器にのせる。きな粉を茶こしで振り、黒ごまをのせて出来上がり。

おわりに
今回は「体をサビさせる」原因となる活性酸素についてご紹介しました。
「サビない体」をつくるためには、次の2つが重要。
- 体内に取り込む活性酸素をいかに減らすか?(生活習慣の見直し)
- 活性酸素を抑える「抗酸化成分」をもつ食事を取り入れる(食生活の見直し)
日頃のちょっとした心がけ次第で、老化を遅らせたり病気を予防することにつながります。
まずは無理なくできることを、できる範囲で実践してみてはいかがでしょうか。