それって本当にゼロカロリー? 知っておきたい栄養成分表示あれこれ

ゼロカロリー、ノンオイル、シュガーレス。健康を意識している方であれば耳なじみあるフレーズですよね。

「ゼロだからどれだけ食べても大丈夫!」

はたして本当にそうなのでしょうか?
実はこれ、食品表示のルールでOKとされている「栄養強調表示」のひとつ。
厳密には0(ゼロ)でなくても、ある一定の基準を満たせば「0(ゼロ)」と表示できるのです。

今回は、パッケージに記載されている栄養表示に注目しました。
正しい知識を身につけ、ご自身や大切な人の健康を守っていきましょう。

栄養強調表示とは?

栄養強調表示とは、「食物繊維たっぷり」「ノンシュガー」といったように栄養成分を強調して表示すること。栄養強調表示は次の3つに分類されます。

①補給ができる旨の表示(量が多いことを強調)
  • 高い( 高〇〇、〇〇豊富、〇〇たっぷり)
  • 含む(〇〇含有、〇〇入り)
  • 強化された(〇〇50%アップ、〇〇2倍)
②適切な摂取ができる旨の表示(量が少ないことを強調
  • 含まない(無〇〇、〇〇ゼロ、ノン〇〇)
  • 低い(低〇〇、〇〇ひかえめ、〇〇ライト)
  • 低減されている(〇〇20%カット、〇〇ハーフ、〇〇5gオフ)
③添加していない旨の表示(無添加の強調)
  • 〇〇無添加
  • 〇〇不使用

どの言葉も一度は見かけたことがありますよね。
基準を満たした食品だけに使われるパワーフレーズです。

しばと
しばと

栄養強調表示がある場合は、特定の条件が満たされた商品です

ではどのくらいの基準値を満たせば、「0(ゼロ)」を売りにできるのでしょうか?
食品表示法で決められた栄養強調表示の「②適切な摂取」に関する具体的な数値をみていきましょう。

栄養強調表示の基準値

量が少ないことをアピールする栄養強調表示の中で、「含まない」といった表示ができるのは、以下の基準を満たした場合。

表示食品100g(飲料ml)あたりの含有量
ノンカロリー
カロリーゼロ
熱量5kcal以下
ノンコレステロールコレステロール5mg未満
無糖
ノンシュガー
シュガーレス

糖類0.5g未満
無塩5mg

たとえば「カロリーゼロ」と表記されている場合をみてみましょう。

100gあたり5kcal以下であれば、「0(ゼロ)」と表示して大丈夫だよ、と定義されていますね。
ということは、「0(ゼロ)」を売りにしていても、厳密には「0(ゼロ)」でない可能性があるということ!

仮に100mlあたり5kcalのジュースを飲んだ場合、ペットボトル1本(500ml)で25kcalにもなります。
カロリーゼロだから…と1日3本飲んだとして、合計75kcalに!

1回で摂取するカロリーや糖質はごくわずかですが、”チリも積もれば山となる”。
0(ゼロ)だから」と安心して、食べ過ぎたり飲み過ぎたりしないように気をつけましょう。

しばと
しばと

「低い」と表示されるケースは、下の表を参照ください

表示食品100g(飲料ml)あたりの含有量
カロリー控えめ
カロリーオフ
熱量40(飲料は20)kcal以下
低コレステロールコレステロール20(飲料は10)mg以下
低糖
糖分控え目
糖類5(飲料は2.5)g以下
減塩
塩分控えめ
ナトリウム120mg以下

もっと詳しくお知りになりたい方は消費者庁のHPをご覧ください。

栄養成分表示はじっくり見よう

では次に商品のパッケージ裏面に注目してみましょう。

栄養成分表示の欄に「100gあたり」「1食分あたり」「1個あたり」などの単位が書いてありますね。
実はこれも商品によってさまざま。

1袋分だと思っていたら、よく見ると1個の量だった!」なんてことも。
食べる前にじっくりチェックしてみましょう。

糖質量の確認方法

「糖質量をチェックしたいのに、栄養成分表示欄に記載がなくて困った」
こんな経験はありませんか?

そんなときは次の公式を覚えておくと便利です。

糖質 = 炭水化物 – 食物繊維

炭水化物は食物繊維と糖質量を合わせた数値。
つまり糖質量を算出したいときは、炭水化物から食物繊維の数値を引き算すればOKです。

商品を選ぶ際の目安にされてくださいね。

おわりに

今回はパッケージに隠された「栄養表示」の秘密についてご紹介しました。

  • 「ゼロ」「無」「ノン」は完全には0ではないケースがある
  • 栄養成分表示は商品によって単位はさまざま

商品を選ぶ際、口に入れる際に、少しだけ意識してみてくださいね。
イメージだけで選ぶのではなく、正しい知識を味方にして、自分自身や大切な人の健康を守っていきましょう。