こんにちは。管理栄養士の柴戸です。
梅雨のじめじめや気温が上がると心配になるのが食中毒。
また暑さによる食欲低下や、夏バテ、熱中症なども心配ですよね。
そんなときに頼れるのが「お酢」の力!
お酢には、疲れたからだを元気にしてくれるパワーがあります。
今回はお酢の健康効果と調理効果に注目。お酢を使ったおいしいレシピもご紹介します。
お酢の健康効果とは?
お酢って酸っぱいし、あんまり出番がないかも?
それはもったいない!お酢にはこんな健康効果がありますよ。
- 疲労回復効果 | 疲れたからだを元気に
- 血圧やコレステロールを下げる
- 血糖値上昇をゆるやかにする
- 食欲増進効果 | 夏バテや熱中症にも
- 整腸作用
疲労回復効果|疲れたからだを元気に
1日の仕事が終わったあとや、たくさんからだを動かした時、「疲れた~」と感じますよね。
これはからだがエネルギー不足になっているため。
エネルギー不足解消のためには、早急に糖分の補給が必要になります。
ここで役に立つのが「お酢」に含まれる酢酸。
お酢を糖分と一緒にとることで、酢酸が効率よくグリコーゲン(糖分が体内で変化したもの、エネルギーのもと)に変換してくれ、スピーディーにグリコーゲンの補充ができます。
お酢に含まれるアミノ酸も疲労回復の為に重要な働きをしてくれます。
BCAAと呼ばれる、バリン・ロイシン・イソロイシンという3つのアミノ酸は、筋肉のたんぱく質を構成する重要なアミノ酸。
体の筋肉をふやす働きが知られていますが、運動時のエネルギー源としても利用されています。
お酢を飲むことによってアミノ酸が補給され、疲労が回復します。
疲れたときは、酢にはちみつを加えたドリンクや、夕食のメニューにお酢レシピを一品プラスして。
疲れを吹き飛ばしてくれますよ。
血圧やコレステロールを下げる
年齢とともに気になってくる血圧やコレステロール。
お酢を毎日大さじ1(15cc)摂取すると、血圧やコレステロールの数値が改善されることが検証されています。
これは、お酢に含まれている酢酸の働きによって、血管が拡張され、血液が流れやすくなることによって起きると考えられています。
お酢の酸味には、塩味をいつもより強く感じさせる働きがあるので、減塩にも効果的。
減塩は高血圧対策にもつながります。
毎日の調理や食卓に「お酢一品習慣」をとりいれましょう。
▼高血圧にお悩みの方はこちらの記事をご覧ください。食事や生活習慣で改善できるコツをご紹介。
血糖値の上昇をゆるやかにする
お酢には食べ物が胃に滞在する時間を延長させる作用があります。
これにより食物の腸への流入が緩やかになり、血糖値の急上昇が抑えられ、余分な糖分が脂質に変わるのを抑える効果が。
食事による血糖値の急上昇が習慣化すると、余分な糖分が脂肪に変わり、糖尿病や肥満につながるおそれがあります。
お酢を取り入れることで、なるべく血糖値が急上昇しないような食生活を心がけましょう。
▼血糖値の安定についてはこちらの記事をご覧ください。
食欲増進効果 | 夏バテや熱中症にも
暑い季節は食欲が出ず、さっぱり食べられるお素麺などの麺類、のどごしのよいものに偏ってしまうことはありませんか?
冷たい食べ物でからだを冷やしすぎたり、栄養バランスが乱れてしまうことが、夏バテの原因にもなります。
「なんとなく食欲がわかない…」
そんなときにはぜひお酢を!
梅干し、レモン。すっぱいものを見ただけでも唾液が出ますよね。
このように酸味が胃の働きを活性化させ、食欲をアップさせます。
熱中症対策にも水分補給をする際は、お酢を一緒にとれるサワードリンクや、レモンを加えた炭酸水などを飲むと疲労回復にもつながって効果的です。
整腸作用
お酢のもつ酸味は、味覚や嗅覚を刺激して、唾液と胃液の分泌を促し、食べ物の消化吸収を助けます。
さらに腸のぜんどう運動を活発に、腸内に老廃物が長い間とどまらない力があります。
腸内環境がよくなると、便秘や下痢、食欲不振などのトラブルがなくなり免疫力もアップ。
食物繊維がたっぷりのサラダにポン酢やお酢ドレッシングをかけたり、もずくやわかめなどの酢の物、
りんご入りのヨーグルトなどは整腸作用に効果大。
毎日続けて健康的に便秘を解消しましょう。
お酢の調理効果
健康効果を知ったら、毎日食べたくなりました!
他にもこんな効果がありますよ。
- 食中毒の予防に | 防腐・抗菌作用
- カルシウムの吸収を助ける
- 素材をやわらかくする
お酢はもはや酸っぱいだけの調味料ではない…。
上で挙げた以外にも、色を鮮やかにしたり、野菜のあく抜き、変色を防いでくれる効果もあります。
食中毒の予防に | 防腐・抗菌作用
お酢には強力な殺菌効果があります。
食材を酢漬けにすると日持ちがよくなるのは、この働きのおかげ。
梅雨時から夏場に特に気をつけたいのが食中毒ですが、この対策にお酢を活用!
食中毒対策に使えるお酢テクニックをご紹介します。
- ハンバーグなどはひき肉にお酢を加える
- 炒めもの、煮ものにお酢を使う
- ごはんを炊く際に、少量のお酢を加える
日ごろからお酢を上手に活用して、食中毒の予防につなげましょう。
カルシウムの吸収を助ける
カルシウムは、骨や歯の主成分でイライラをしずめる大切な栄養素。
ストレスなどでも消耗しやすい成分です。
こどもの成長や高齢者の骨粗しょう症予防、貧血の予防にも不可欠なカルシウムですが、体内でつくることができないうえに、吸収されにくい性質でもあります。
ここにお酢のパワーを投入!
カルシウムはお酢と一緒に摂取することで、吸収率を促進する効果があります。
これは、お酢に含まれる酢酸が酢酸カルシウムに変化して、吸収しやすい形に変化させてくれるから。
酢酸カルシウムはカルシウム単独よりも吸収率が30~50%もアップするともいわれています。
酢をそのまま摂取するよりも、お料理に使うほうが効果的で、肉や魚貝類を骨や貝殻ごと煮るとさらに効果があります。
たとえば殻つきしじみをお酢で煮ると、普通に水煮するより4倍以上ものカルシウムがスープに溶け出したという実験結果も。
このようにカルシウムが豊富な乳製品や魚、海藻類と一緒にお酢をとれば、より効率的にカルシウムの吸収率を高めることができます。
素材をやわらかくする
お酢にはたんぱく質を分解してやわらかくする作用があります。
小魚をまるごと煮たり、骨付き肉や固まり肉を煮るときは、お酢を加えるとやわらかく煮えます。
さらに、骨と肉をつなぐ結合組織に含まれるコラーゲンをとかし、身ばなれを良くする効果も。
これからの季節、野外でバーベキューをする機会が増えますよね!
大きなかたまり肉やステーキ肉をあらかじめ、お酢を加えた調味液につけておくと、やわらかくなって食べやすいですよ。
ほんのひと手間で、みんなに喜ばれること間違いなしです。
どのくらいとればいいの?
1日にとったほうがいい量ってあるのかな?
1日に摂るべき量の目安は、最低でも大さじ1杯~2杯(15cc~30cc)。
小さなこどもや、胃の弱いかたなどは摂りすぎると胃壁が荒れることもあるので気をつけてください。
飲用としてお酢をとる場合は、原液で摂るとのどを痛めたり、胃などの消化器官に対して刺激が強いことがあるので、5倍前後に薄めて飲むのがおすすめ。
大量に飲んで、効果が倍増するということはありません。
また、病院のお薬ではないので、飲んですぐに効くということでもなく、毎日の積み重ねが日々の健康をつくっていくことにつながります。
いつとるのがよい?
お酢を摂るタイミングは食中か食後がベストです。
×空腹時…胃酸の酸度が上がっている事が多く、胃壁が荒れる原因になる
◎食中…血糖値の急上昇を抑制する
◎食後…胃液の分泌を促進し、食べ物の消化を助けてくれる
○運動後…疲労回復効果があるため、糖分と一緒にとる
そのほかの効果についてはどんなタイミングでも大丈夫。
ただし空腹時には飲用しないように気をつけましょう!
お酢を使った料理を保存するときは?
お酢に含まれる酢酸などは強い酸性で金属をとかしてしまいます。
お酢の料理にはステンレスやホーローの鍋を使うとGOOD。
同じようにピクルスなどの保存食にはガラス、ホーローの密閉容器がおすすめです。
おすすめレシピ
お酢を使った夏におすすめのさっぱりレシピをご紹介します。
イカと夏野菜のマリネ
食欲が落ちがちなこの時期に、見た目も華やかでさっぱりと食べられるマリネはいかが?
冷蔵庫で冷やし味をよくなじませるのがポイントです。
▼お酢の選び方については、こちらの記事でもくわしくご紹介しています。
おわりに
今回はお酢の健康効果や調理効果、お酢を使ったレシピをご紹介しました。
くりかえしますが、お酢は「毎日継続してとる」ことが大切です。
お料理に使ったりドリンクで飲むなど、工夫しながら「毎日1スプーン」を目指しましょう。
当サイトではからだにやさしいレシピを多数掲載しております。
ぜひ参考にしてみてくださいね。
◆◆くらしいきいきの商品紹介◆◆
フルーティーなお酢のドリンク「飲むお酢」
「毎日お酢をとりたいけれど、なかなか続かない…」
「もっと手軽に取れる方法があれば…」
からだにいいとはわかっていても、習慣的にとるのはむずかしいもの。
そんなあなたにおすすめなのが、くらしいきいきおすすめの「飲むお酢」。
炭酸水だけでなく、豆乳や牛乳で割って、とろりとした口当たりを楽しむのもいいですね。
ラインナップは4種類。
夏にぴったりのさっぱりとしたフルーツ酢。
疲れたときや、ほっと一息いれたいときに。
勉強や仕事のリフレッシュにもおすすめです。
・ゆずりんご酢
・しょうが黒酢
・ブルーベリー酢
・マンゴーりんご酢
※4倍濃縮の為、お水やソーダで割ってお飲み下さい。