こんにちは。
抗がん剤の治療中が始まって、
「下痢と便秘を繰り返してきつかった」
「止まらない下痢にどうしたらよいか分からず不安だった」
「食後に下痢をするので、何を食べるとよいのか分からない」など、
つらい下痢に悩んでいませんか?
抗がん剤や放射線治療によって、胃腸の粘膜が損傷し起こる下痢。
治療を始めて2~10日ごろに症状が強く出ることがあるようです。
またこの季節、小さいお子様を持つ家庭に多いのは、
「ウイルス性胃腸炎」いわゆるノロウィルスなどのおなかの風邪。
嘔吐と下痢で看病も大変ですが、何より気を配りたいのは水分とたべもの。
今回は下痢の症状がでた時どう過ごしたらよいのか、水分と食事のとりかたのポイント、
またおすすめの食事3選をご紹介します。
水分補給のポイント
下痢の時こそ水分補給が必要ですが、摂り方にもコツがあります。
以下のポイントに気をつけてください。
- 1回に少しずつ(一口か二口程度)、こまめに飲む
- コップ8~10杯分くらいまでが目安
- 室温か人肌程度にあたためてから飲む
- 白湯やお茶だけでなく、イオン飲料も飲む
- フルーツゼリーやゼリータイプの栄養補助食品もOK
おすすめは水分とともに失われた電解質を補ってくれるイオン飲料。
牛乳、柑橘系のジュースは下痢や嘔吐を誘発しやすいので控えるようにしましょう。
食事のくふう
食欲が少しずつ湧いてきたとき、すかさず摂りたいもの。
おかゆ?うどん? ……正解です!!!
エネルギーの源となる主食。
胃腸を刺激しないように柔らかいものから摂取しましょう。
その次のステップは、傷ついた粘膜を修復する働きのあるたんぱく質を摂ること。
また下痢などの脱水状態が起きているときはカリウムが不足しやすいので、
カリウムもあわせて摂るといいですね。
●おすすめの低脂肪高たんぱく質食品
- たまご
- 豆腐
- とりにく
- 白身魚 など
●おすすめのカリウム豊富な食品
- バナナ
- りんご
- ほうれん草
- カボチャ
- ひじき
- かつお など
カリウムは水にとけるので、本来は生で摂るのが良いのですが、
くだものだと柔らかく煮たり、野菜はスープや汁物、お魚は蒸すなど、
調理することで刺激を少なくすることができます。
●控えたい食品
- 脂肪の多い食材や料理(あぶらっこいもの)
- 甘味の強いおかし
- 香辛料が多いもの、濃いあじつけの料理
- 消化しにくいもの(れんこん、きのこ類、こんにゃく、ごぼうなど)
- ガスの発生しやすいもの(ビール、炭酸飲料、芋類、豆類)
症状が出ている間は、食べるのを避けておきたい食品もあります。
知らず知らずのうちに口にしていませんか?
胃腸に負担をかけるので気をつけましょう。
こんなレシピはいかがですか?
過去にご紹介したレシピを含め3つご紹介します。ご参考にどうぞ。
豆腐のあんかけがゆ
食欲がないときに、豆腐のあんかけがゆ by くらしいきいき白身魚と野菜のレンジ蒸し
ほうれん草の豆乳オムレツ
腸粘膜を刺激しないよう、やさしい味つけと柔らかさにしましょう。
いかがでしたか?
今回は下痢の症状が続いたときの、水分と食事の摂り方、食事3選についてご紹介しました。
下痢が続くことで脱水症状を招き、体力も免疫力も低下して病状を悪化させることがあります。
まずは安静にし、お腹をあたため体を冷やさないようにしましょう。
それでも症状が強いときは、担当医師にご相談ください。
参考資料:「がん治療中の食事サポートブック」 公益財団法人がん研究振興財団
「抗がん剤・放射線治療と食事のくふう」 山口健監修 女子栄養大学出版部