便秘解消のために食事と運動でできること

こんにちは。管理栄養士の柴戸です。

だんだん寒くなってきて便秘がちになった、と感じる方はいらっしゃいませんか。
寒い冬に便秘になりやすいのは冷えや体内の水分不足・運動量の低下によるものといわれます。

便秘を解消し、腸内環境が整うと、栄養がしっかりと吸収された上質な血液になります。
さらに代謝が上がることで免疫力をアップさせる効果もありますよ。

今回は便秘を解消するために、食事と運動でできる方法をご紹介します。
薬に頼らずにお通じを良くして、体も心もスッキリさせましょう。

便秘の原因と対策

慢性的に便秘ぎみです…。どうしたらいいんでしょうか?

しばと
しばと

まずは毎日の生活を見直してみましょう!

便秘になる原因って?

便秘とは…3日以上大便が出ずに、ふだんの生活に支障をきたしているもの。
こんな症状に心当たりはありませんか?

  • 腹部の膨満感
  • 食後の腹痛
  • 吐き気
  • 貧血 など

便秘の主な原因は、動物性のたんぱく質や乳製品などを多く摂り食物繊維の摂取が少ない食生活を送っていること。
欧米型の肉中心の食事に偏りがちな人は、悪玉菌の増加により腸内も乱れやすくなります。
お肉を食べるときは、赤いもの(牛、豚、羊)ではなく、白いもの(鶏肉)がおすすめです。

食生活を見直す

腸内の細菌は大きくわけて、
善玉菌」「悪玉菌」「日和見(ひよりみ)菌」の3つです。

善玉菌… お腹の調子を整える、免疫力を高める 、 アレルギーを緩和する
悪玉菌… 老化を促す、免疫力を下げる、腸の働きを悪くする 
*日和見菌は多いほうに加勢します。

3つのバランスは善(2):悪(1):日和見(7)がGOOD。

悪玉菌優位に働くと腸内環境の悪化を招き、便秘や免疫力の低下の原因に。
いっぽう善玉菌が増えることで、大腸内の免疫を活性化させるスイッチがオンになります。
善玉菌をふやしたほうがいい理由はこのため。
日和見菌を善玉菌に変えるためにも、善玉菌を優勢にし免疫力をアップさせましょう!

善玉菌をふやすには、どうしたらいいですか?

しばと
しばと

乳酸菌食物繊維をとるのがおすすめですよ!

発酵食品で乳酸菌をとろう!

日本人が昔から食べている味噌、漬物、しょうゆ、納豆、麹などの伝統的な発酵食品は、植物性の有用菌が多く含まれており、ビフィズス菌などの善玉菌をふやします。

ヨーグルトはどうですか?

ヨーグルトには糖分や脂肪分が多く含まれているので、たくさん摂りすぎると血液中のコレステロール値が上がってしまう恐れがあります。
食べるときは、動物性脂肪をとり過ぎないよう脂肪分0のものや豆乳ヨーグルトなどを選ぶのがGOODです。

発酵食品には乳酸菌のほかにもたくさんの微生物がいて、それらが抗酸化作用を高めてくれたり、栄養価をアップさせたり、といいことがたくさんあります。

ただし、漬物などは塩分も多く含まれているので摂りすぎには気をつけましょう。
色々なものをバランスよく食べることが大切ですね。

▼乳酸菌についてはこちらの記事でも解説しています。

食物繊維も忘れずに!

食物繊維は腸の中で、水分を保ったり、吸着したり、発酵するなどの働きで腸内環境を整えてくれるもの。
水溶性と不溶性がありそれぞれ違った働きがあります。便の硬さや柔らかさに影響するので、状態に応じて食物繊維を選ぶことも大切です。

水溶性食物繊維の多い食品(柔らかい便を作りやすくする)

  • 海藻
  • アボカド
  • 果物
  • オクラ など

不溶性食物繊維が多い食品(便の量を増やし、排出しやすくする)

  • 豆類(大豆、インゲンなど)
  • りんご
  • 干ししいたけ など

とはいえ、細かいことは気にせず、野菜・果物・海藻・キノコ類 などを意識的にとるようにすれば大丈夫。毎日の献立に、これらの一品を加えてみましょう。

またゴボウ、玉ねぎ、はちみつなどオリゴ糖を含む食品もおすすめ。
オリゴ糖は善玉菌の餌になって善玉菌の働きを増やしてくれます。

「シンバイオティクス」を意識した食生活を

つまり善玉菌をふやすためには、
①善玉菌を含むもの(プロバイオティクス)…乳酸菌、ビフィズス菌
②善玉菌の餌となるもの(プレバイオティクス)…オリゴ糖、食物繊維 が良いということ。

さらに効果的に腸へアプローチする方法が、この2つを組み合わせた「シンバイオティクス」という考え。

最強のシンバイオティクス食はみそ汁
①味噌(発酵食品)× ②海藻や野菜(食物繊維)、お豆腐(オリゴ糖)。

毎日1杯は、具だくさんのおみそ汁を飲むといいですね。

毎朝コップ1杯のお水で体内リズムを整える

朝は時間がなくて、朝食は食べないことが多いです。

しばと
しばと

それはもったいないですね!
コップ1杯のお水と朝食で、朝排便の習慣づけをしてみませんか?

排便をスムーズにするコツはこまめな水分補給。
まずは起きたてにコップ1杯のお水を飲みましょう。
腸が刺激されるので、排便促進効果がグンと高まります。

さらに朝食はよく噛む食材(もち麦ごはんや雑穀、ライ麦パン)にすると、脳も身体もしっかり動き活動的に。
気持ちのよい一日がスタートできますよ!

慌ただしくて朝食が摂れないひとは、手軽に飲めるスムージーや果物、ヨーグルトなどで腸を刺激して、朝食後の排便ゴールデンタイムを逃さないようにしましょう。

ウォーキングなどの軽い運動をとりいれる

腸の動きを活発にするために適度な運動も必要です。
毎日どのくらい歩いていますか?時間や歩数などは意識していますか?
1万歩はなかなか難しいですが、7000~8000歩は歩きたいところ。
ウォーキングの習慣を身につけて、血液循環や新陳代謝を高めましょう!

歩くときのコツはありますか?

しばと
しばと

1日の目標時間は30分!
少し早めのスピード、歩幅は大きめに歩いてみましょう。

しっかりと続けるためには?

ウォーキングという行動を習慣化させるためには、モチベーションが必要。
モチベーションを上げる自分なりの方法を見つけてみませんか?

  • となりの駅まで歩いてみる、ちょっとだけ遠回りしてみる
  • お気に入りのアイテムを身に着ける(ウェアやシューズ)
  • 歩数を測ってみる(歩数計やスマートフォンでも!)
  • 毎日記録して数値の「見える化」をする
  • 音楽やラジオを聞きながら歩く

歩数計はスマホや携帯電話に内臓されている場合もあります。
どのくらい歩いたか、日記でもアプリでも記録することで、‟明日はもう少し歩いてみよう!”というモチベーションに繋がること間違いなし。

音楽を聞きながら歩くのも、飽きずに続くコツ。

少し遠回りをしてあちこちのお店をのぞいてみましょう。
知らなかった場所を発見できるかもしれません。

おわりに

いかがでしたか?
便秘を解消するために、食事と運動でできることについてご紹介しました。
善玉菌をふやす食事、たっぷりの水分、軽い運動。
少しの心がけで大きく変わってきますよ!
病気予防に、アンチエイジングに。元気な腸を作りましょう。