こんにちは。管理栄養士の柴戸です。
わたしたちのカラダは食べたもので作られています。
塩分や脂肪分の多い食事や栄養バランスの偏りは生活習慣病の元となります。
「食生活を見直したいけど、どうすればいいか分からない」
そんな方は、まずは減塩を意識することからはじめてみましょう。
今回は塩分をとりすぎるとよくない理由や、塩分控えめでもおいしく食べられる5つのポイント、おすすめレシピを2つご紹介します。
減塩が必要な理由
「塩分のとりすぎはカラダによくない」ということは、みなさんご存じの通りですね。
では、なぜ塩分のとりすぎはよくないのでしょうか。
わたし達のカラダの中では、ナトリウムやカリウムなどのミネラル(電解質)が細胞のなかでバランスを保って存在しています。
塩分の過剰な摂取が続くと、このバランスが崩れ、細胞が代謝の過程で変異し、ガンのリスクが高まると考えられています。
また、刺激によって粘膜や胃壁にダメージを与えることに。
荒れた胃壁には、胃潰瘍の主な要因といわれているピロリ菌が増殖しやすくなるので、胃がんのリスクも高まります。
つまり生活習慣病の予防や改善をするためには、塩分をできるだけ控えることが大切なのです。
減塩のための5つのポイント
塩分控えめでもおいしく食べて満足したい!
そんなときに知っておくと便利な5つのポイントをご紹介します。
コツをおさえて、塩分を少しずつ減らしていきましょう。
- 薬味やだしを利用する
- 1食のうち1品だけは普通の味に
- 汁ものは具だくさんで
- 片栗粉をまぶす
- インスタント食品・惣菜・加工食品を避ける
だしや薬味を活用する
出汁(だし)やお酢をきかせたり、薬味やスパイスなどを上手に使って味に変化をつけましょう。
昆布やかつお節などで出汁(だし) をしっかりとると、薄味でも風味豊かにおいしく食べられます。
市販されているだしには小さじ1杯あたり1~2gの食塩が含まれています。
手作りするか、減塩表示や塩分無添加のものを選ぶとよいでしょう。
- レモンなどのかんきつ類
- にんにく
- しょうが
- こしょう
- しそ
- みょうが など
これらの食材にはナトリウムがほとんど含まれていないので便利に使えます。
1食のうち1品だけは普通の味に
すべてが薄味だと味気ないものです。
1食のうち、どれか一品に塩味を効かせてみましょう。
メリハリをつけると満足感もアップします。
長く続けることがポイントなので、無理をしないのが一番です。
汁ものは具だくさんで
スープやお味噌汁の「汁気」には多くの塩分が含まれています。
汁ものをとるときは、野菜や海藻などの具をたくさん入れ、汁気を減らすくふうを。
野菜や海藻に含まれるカリウムは、体内の余分な塩分を排泄してくれます。
片栗粉をまぶす
食材の表面に片栗粉をまぶして焼くと、味がからみやすくなります。
薄味でもしっかりとした味つけになり満足度がアップします。
インスタント食品・加工食品・惣菜や練り物を避ける
カップ麺や菓子パン、スナック菓子、炭酸飲料、などのインスタント食品や加工食品。
これらには色や味をよくしたり、保存性を高めるために多くの添加物が使用されています。
添加物のなかには、塩分を感じさせにくくするものもあります。
家庭で作る場合より2~3倍の塩が使用されていても、添加物の効果で強い塩味を感じることはありません。自分でも気づかぬうちに塩分過剰になる恐れがあります。
お惣菜や練り物も、濃い味にするため多くの塩が使用されています。
「安い・簡単・便利」に惑わされることなく、できるだけ手作りしましょう。
減塩レシピ
さて、ここからは実践編。
減塩のコツを利用した簡単レシピをご紹介します。
薬味たっぷり!!低GIの全粒粉パスタ
たっぷりの薬味を使って味に変化をつけました。
しらすの塩味とにんにくの香ばしい香りが食欲をそそります。
材料(2人分)
- 全粒粉パスタ 200g
- 大葉 10枚
- みょうが 2個
- 青ねぎ お好きな量
- ブロッコリースプラウト 1パック
- しらす 30g
- にんにく 1かけ
- 油 小さじ1
- 塩 小さじ1/2
- しょうゆ 小さじ1
- カボス 適量
- 大葉、みょうが、青ねぎを細かく刻み、ブロッコリースプラウトは根元を切り落とす。
切った材料をボウルに入れ混ぜ合わせる。 - にんにくをみじん切りにする。
- 鍋にたっぷりのお湯を沸かし塩(分量外)を加えてパスタを茹でる。
表示より1分程早めにあげる。(お玉1杯分のゆで汁をとっておく) - フライパンに油とにんにくを入れ、弱火で香りが立つまで炒める。
しらすとパスタ、茹で汁を入れてソースが白っぽくなるまで混ぜる。 - 塩・しょうゆで味をととのえる。
- 器に⑤を盛り、ボウルに合わせた薬味をふわりとのせ、カボスを添えて出来上がり。
野菜がたっぷりとれる、タラの野菜あんかけ
とろみをつけることで冷めにくく、あんがからみ食べやすくなります。
野菜もたんぱく質もしっかりとりたいときにオススメ!
材料(2人分)
- タラ(切り身) 2切れ
- 白菜 1/4個
- にんじん 30g
- きぬさや 4枚
- しいたけ 2枚
- 水溶き片栗粉 大さじ1
- サラダ油 大さじ1
- ごま油大さじ1
■ 下味
- 塩・こしょう 少々
- 酒 大さじ1
■ 調味料
- だし 1/2カップ
- しょうゆ 大さじ1/2
- みりん 大さじ1/2
- しょうが(すりおろし) 小さじ1
- タラは下味をつけ5分程おき、汁気をペーパーでふいて片栗粉を薄くまぶす。
- フライパンにサラダ油を入れ温め、タラを入れて両面を焼き器に盛りつける。
- 白菜は3㎝幅のそぎ切りに、にんじんは短冊切りにする。
きぬさやは筋をとり斜め半分に切る。しいたけは薄切りにする。 - フライパンにごま油を入れ温め③を炒める。
- 火が通ったら調味料を加え、煮立ったら水溶き片栗粉を入れとろみをつけ、器に盛ったタラにかけて出来上がり。
おわりに
今回は塩分をとりすぎるとよくない理由や、塩分控えめでもおいしく食べられる5つのポイント、おすすめレシピを2つご紹介しました。
塩分が多く含まれる「濃い味」の食生活を送っていると、薄味では物足りなく感じるかもしれません。しかしだんだん慣れてくると、食材本来の味を楽しめるようになってきますよ。
面倒でもできるだけ「手作りのものを食べる」習慣で、減塩への意識を高めましょう。